お知らせ

野球肘検診報告

 当科と青森県スポーツドクターの会の共催で弘前市野球肘予防教室(開催:平成29年11月11日~12日、会場:弘前市運動公園陸上競技場)、青森市野球肘検診(開催:平成30年2月10日、会場:青森県総合社会教育センター)を開催しました。弘前市野球肘予防教室では初日に指導者・医療従事者に対する投球指導講習会、2日目は選手を対象とした肘の超音波検診、栄養指導を行いました。投球指導講習会ではまず弘前病院整形外科佐々木規博先生が野球肘と投球障害に関する講義を行いました。その後に弘前大学医学部附属病院リハビリテーション部 療法師長 塚本利昭先生、弘前市役所 文化スポーツ振興課 今関勝氏(元プロ野球選手)の2名の講師から投球動作の指導方法について実演を行っていただきました。小学生野球チームにも協力していただき、指導の実演・投球ドリルの実際などを行い、参加者は投球障害を予防しパフォーマンスを向上させるための方法について活発なディスカッションを行っていました。2日目は小・中学生140名が参加して肘の超音波検診を行いました。肘検診の前に選手・指導者・保護者に対して検診の必要性や野球肘に関する講義を行い、その後に公認スポーツ栄養士 太田茂子先生より野球選手に必要な食事・栄養に関する講義を行って頂きました。肘超音波検診では離断性骨軟骨炎疑いの選手が7名見つかり、超音波画像を説明しながら選手・保護者・指導者に病院での精査の必要性について説明しその場で病院への紹介状を渡しました。中には病院での精査を勧められて動揺する選手がいましたが、今関氏に選手・指導者のメンタル面のサポートを行って頂きました。そのお陰もあって二次検診受診率は高く、すべて初期の段階で発見されたため投球禁止など保存的加療にて経過をみています。
 青森市野球肘検診では弘前と同様に野球肘の講義と太田先生による食事・栄養に関する講義を行った後に肘超音波検診を行いました。小・中学生121名が参加し、離断性骨軟骨炎疑いの選手は4名でした。弘前と同じようにその場で指導者・保護者・選手に精査の必要性を説明し紹介状を渡しました。まだ青森市の二次検診受診率は出ていませんが、病院での検査を行うようにチームへの連絡を行いたいと考えています。
 4年前より開始した青森・弘前での野球肘検診も指導者・保護者にその重要性が広まっており、多くの選手に参加してもらえるようになりました。また以前より離断性骨軟骨炎が進行した状態で見つかる選手が少なくなってきており、検診の成果が出てきていると感じております。検診には多くのスタッフが必要となりますが、青森県理学療法士会、青森県アスレティックトレーナーの会、弘前大学医学部準硬式野球部にも御協力していただきスタッフを確保することができました。この場をかりて御礼申し上げます。選手生命を脅かす肘離断性骨軟骨炎を早期に発見し、選手は手術を受けることなく野球を楽しんでもらえるように来年度以降も活動を続けていきたいと思います。

  投球指導講習会での講義(担当 今関氏)       投球指導講習会 実技指導の様子

記 前田周吾



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