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留学寄稿

留学寄稿 新戸部 陽士郎

Miami大学留学報告

 2017年4月から1年間、アメリカのフロリダ州にあるマイアミ大学へ留学する機会を頂きましたのでご報告させていただきます。2011年からは熊谷先生、澤田先生、田中先生、浅利先生、陳先生がご留学され、私で6人目の留学となります。留学前、そして留学中も色々な先生方に助けていただき、本当に感謝しております。
 マイアミ大学は”The Miami Project to Cure Paralysis”という神経再生のためのプロジェクト行っています。脊髄損傷の臨床試験の数も日本では6つなのに対してフロリダ州では51も行われており、脊髄損傷の研究が盛んな地域です。私が所属させて頂いたLuis Pope Life Centerは細胞培養、脊髄損傷手術、細胞移植、行動評価、組織作成、免疫染色、顕微鏡評価と、一連の実験を一つの建物内でできる施設であり、恵まれた環境の中で実験を行うことができました。
 私は脊髄損傷に対する間葉系幹細胞(MSC)移植などでご高名なMartin Oudega教授のラボに配属させて頂きました。Oudega lab.はMiami Projectの中でも最も実験を行っているラボの一つであり、このラボに所属できたことがとても幸運でした。私自身も321件の脊髄損傷手術や290件の細胞移植術などを行い、頚髄損傷への細胞移植術やシュワン細胞移植など6つのstudyに関わらせて頂き、大変勉強になりました。自分の実験については脊髄損傷に対する新規scaffoldを併用したMSC移植を検討しました。お陰様で予定されていた実験を終了し有意差のある結果を得ることができ、現在論文化を進めております。
 留学前は英語が苦手で、ハイレベルな研究者の中でやっていけるかなど、不安な事がたくさんありました。ただ実際にはとても勉強になり、充実した日々を過ごすことができました。特に痛感した事としては「待っていては何も始まらない」という事です。アメリカには日本の様な忖度はなく、自分からactionを起こさないと何も起きず、1年間で結果を出すためには常にactionを起こし続ける必要がありました。この経験を今後にも生かせるように精進したいと思います。またMiami projectの研究者、日本人留学生の先生方など多くの人とのつながりができたことも一生の財産になりました。脊髄損傷について得た経験を弘前大学に還元できように、今後精進していきたいと思います。最後となりましたが、海外留学という機会を与えて頂いた石橋恭之教授をはじめ弘前大学整形外科教室の皆様、川岸利光院長をはじめ高岡整志会病院病院の皆様、整志会の先生方には心より感謝を申し上げます。本当にありがとうございました。

留学寄稿 新戸部 陽士郎

ラボメンバー(後方真ん中がProf. Oudega)

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