受賞・表彰
第115回 東北整形災害外科学会 若手Award session受賞報告
弘前大学大学院医学研究科 整形外科学講座
大学院2年生 山内翔平
この度、2018年4月27日から28日に青森県弘前市で行われた第115回東北整形災害外科学会 若手Awardセッションにおいて最優秀演題賞を受賞致しましたので、ご報告させて頂きます。この賞は本学会参加の各7大学より選出された代表がそれぞれ英語にて発表を行い、その内容に関して審査員の先生方が口演の内容を評価・点数化し最終的に3名が表彰されるものです。
私の演題名は「Relationship between severity of bone bruise and meniscus tear in acute anterior cruciate ligament injury」です。前十字靭帯(ACL)損傷の診断にて当科で前十字靭帯再建術(ACLR)を施行した患者において、初診時MRIで確認された骨挫傷の重症度と関節鏡で確認された半月板損傷に関して関連性を研究し発表させていただきました。
対象は2015年1月から2016年12月までに当科でACLRを施行された158例です。除外基準は接触型損傷、患側膝に過去の手術既往がある者、受傷後4週以降にMRIが撮像されていた者、受傷後8週以降にACLRを施行されていた者としました。最終的に解析対象となった75例(男性33例、女性42例)に関して身長、体重、BMI、骨挫傷の有無、骨挫傷の発生部位と重症度、半月板損傷の有無を調査し、以上の項目においてMann-whitney U 検定を用い統計学的検討を行いました。
結果ですが、骨挫傷の有無、半月板損傷の有無に関して患者背景に有意な差は認めませんでした。非接触型ACL損傷に合併する大腿骨外顆、脛骨外側プラトーの骨挫傷の重症度は合併する外側半月板損傷と有意な関連性を示しましたが、内側半月板損傷とは関連性を示しませんでした。
ACL損傷患者に認められる骨挫傷像は、受傷肢位や受傷メカニズムを解析する上で非常に重要であり、現在も多くの研究が行われています。本研究の結果より、大腿骨外顆、脛骨外側プラトーの骨挫傷が重症であるほど、外側半月板損傷を認める可能性が示唆されました。
今回の受賞にあたり、研究の指導や調査の御協力を頂いた石橋教授を中心とする整形外科学講座のスタッフをはじめ関係者の皆様に深く感謝申し上げます。この結果に恥じぬよう、これからも与えられた研究テーマの調査により一層精進して参ります。
研究・実績
- 研究内容
- →脊椎・脊髄外科グループ
- →スポーツ整形外科グループ
- →関節グループ
- →手外科・外傷再建グループ
- →骨・軟部腫瘍グループ
- →業績集
- →書籍集
- →受賞・表彰
- →留学寄稿