受賞・表彰
第116回 東北整形災害外科学会 若手英語Award session 最優秀演題章 受賞報告
石橋恭太
この度、2019年6月21日、22日に岩手県盛岡市で行われた第116回東北整形災害外科学会、若手英語Award sessionにおいて、最優秀演題賞を受賞しましたのでご報告させて頂きます。
この賞は本学会参加の各7大学(弘前、秋田、岩手医科、山形、福島、東北、新潟大学)より選出された代表がそれぞれ英語にて発表を行い、その内容に関して審査員が口演の内容を評価、点数化し最終的に3名が表彰されるものです。私の演題名は「Comparison between medial stabilizing technique and gap balance technique in navigated total knee arthroplasty」です。
近年の高齢化に伴い、変形性膝関節症罹患患者は増加しており、同時にtotal knee arthroplasty(TKA)の症例数も世界的に増加しています。TKAにおいてアライメントと靭帯バランスは良好な長期成績を得るために重要な因子であるとされています。大腿骨と脛骨の骨切り面の間にできたスペースはgapと呼ばれ、従来は伸展gapと屈曲gapの等しい長方形gapを作成することが重要とされてきました。しかしながら、近年は外側の緩みを許容した(外側gap>伸展gap)Medial stabilizing technique(MST)が提唱されています。今回我々はMSTと従来型の(長方形gapの作成を目指す)Gap balance technique(GBT)をナビゲーションシステム、術後X線で評価、比較し発表させて頂きました。
対象はGBT群として2011年、2012年にTKAを行った31例、MST群として2016年、2017年に行った39例とし比較しました。検討項目は術中gap、joint lineの変化量、術後アライメント、術後可動域です。以上の項目においてstudent t testを用い統計学的検討を行いました。
結果ですが、術前患者背景、術後アライメントに有意差を認めませんでした。伸展内側gapはMST群で有意に小さく、joint lineの上昇もMST群で有意に抑えられておりました。また術後膝関節屈曲角度もMST群で有意に良好な結果となりました。Joint lineを保つことはTKAにおいて非常に重要であり、joint lineの上昇がpoor clinical outcomeとなることは多くの研究で報告されています。本研究結果よりMSTはより生理的な膝を再現することが可能であり、術後成績も良好であるということがわかりました。
今回の学会では、他にcase report awardで樋口先生、学生sessionで小笠原先生が第1位を受賞され、弘前大学の勢いを示すことができたかと思います。最後に、今回の受賞にあたり、研究や発表の指導をしていただいた石橋教授、佐々木英嗣先生をはじめとする整形外科学講座の先生方に深く感謝申し上げます。
研究・実績
- 研究内容
- →脊椎・脊髄外科グループ
- →スポーツ整形外科グループ
- →関節グループ
- →手外科・外傷再建グループ
- →骨・軟部腫瘍グループ
- →業績集
- →書籍集
- →受賞・表彰
- →留学寄稿